12.12:あの日

あらすじ
映画『12.12:あの日』は、韓国史における重要な瞬間を巡る、手に汗握る政治スリラーである。1980年、朴正煕大統領の暗殺は、韓国に混沌とした事態を引き起こした。戒厳令が発令され、国家は騒然とした状態に陥る。 大統領暗殺のニュースが広まるにつれ、狡猾で野心的な軍指導者である全斗煥保安司令官は、権力を掌握するための計画を立て始める。全斗煥は、忠実な部下たちと共にクーデターを開始し、主要な軍事施設や政府庁舎を占拠し、国に対する支配権を強化しようと目論む。 一方、首都警備司令官のイ・テシンは、全斗煥の行動に反発する。強い義務感と名誉の念を持つ昔ながらの軍人であるイは、軍は政治に関与すべきではないと信じている。彼は軍事クーデターという考えに断固として反対し、全斗煥を、目的を達成するためには手段を選ばない権力欲に取りつかれた日和見主義者と見ている。 イ・テシンと全斗煥の対立が激化するにつれて、軍の一般兵士たちは、板挟みの状態に陥る。多くの兵士たちは、軍と国への忠誠の間で混乱し、分裂する。全斗煥のクーデターを支持するよう強制される者もいれば、イ・テシンとその忠実な部下たちのように、簒奪者に抵抗する者もいる。 イ・テシンが直面する主な課題の1つは、軍指導部内の不確実性と分裂である。国防長官は行方不明であり、多くの軍幹部は、全斗煥に逆らうことが自身の破滅につながることを恐れて、彼に立ち向かうことをためらっている。混沌と恐怖を背景に、イ・テシンは勇気を振り絞り、全斗煥の軍隊に対して、少数ながら決意を固めた反乱軍を率いる。 ソウルを舞台にした戦いが繰り広げられるにつれて、首都はイ・テシンと全斗煥の軍隊が争う戦場と化す。両陣営は激しい戦闘と白兵戦を繰り広げ、イ・テシンの軍隊は、全斗煥の優れた兵力と火力に対して、持ちこたえるのに苦労する。 数日が数週間になるにつれて、ソウルの人々は、待ち望んでいた春、つまり、刷新と希望の時が、身の回りで繰り広げられる混沌とした出来事によって脱線してしまったことに気づき始める。銃弾の跡や傷跡が生々しい、戦争で荒廃した街のイメージは、都市の住民を苦しめ、かつて繁栄していた大都市は、傷つき、恐怖に怯える場所へと変貌する。 映画全体を通して、テンポは速まり、イ・テシンとその忠実な部下が、全斗煥の軍隊との血なまぐさい戦いに向け、態勢を整えるにつれて、状況はますます危険になっていく。事態が制御不能に陥るにつれて、繰り広げられる残忍な戦いにおいては、何の容赦も期待できないことは明らかになる。 韓国の命運が危機に瀕する中、『12.12:あの日』は、韓国の歴史における重要な瞬間を、生々しく、強烈に描き出した作品である。この映画は、戦争の厳しい現実と、それに伴う道徳的に曖昧な領域を率直に提示し、観客に紛争における人的犠牲と、その先に待ち受ける不確実性について考えさせる。
レビュー
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