PSYCHO-PASS サイコパス Sinners of the System Case.2 First Guardian

2112年の夏。世界は、人々の精神状態を数値化して管理する巨大な人工知能システム、シビュラによって社会が管理される世界へと変貌を遂げていた。シビュラシステムは、人々のあらゆる行動を監視し、絶えず管理することで、社会はまるで精密機械のように機能している。そのような時代において、社会の安全は、シビュラシステムによって危険と判断された人々を鎮圧するために訓練された執行官たちの手によって維持されていた。 常守朱は、優秀な若手監視官候補として、公安局刑事課一係に配属される。そこでは、最高の能力を持つ者たちが執行官と協力し、シビュラの判断に異議を唱えることのないように任務を遂行している。一方、国防軍第15統合任務部隊のエースパイロットである須郷徹平は、戦略的な軍事拠点である沖縄に駐屯していた。 しかし、ある蒸し暑い夏の日、無人戦闘ドローンが東京の防衛省に向けて突然発砲するという前代未聞の事態が発生する。この重大な事件は、政府と軍の関係者に衝撃を与えた。事態を受け、刑事課一係のベテラン執行官である征陸智己は、この事件の真相を解明するため、急遽、須郷徹平の駐屯する沖縄の軍事基地へと派遣される。 沖縄に到着した征陸は、須郷が3ヶ月前に日本で休暇中に起きた事件について重要な情報を持っていることをすぐに突き止める。征陸の捜査は、より深い陰謀へとつながり、やがて須郷を尋問し、運命の日について精査せざるを得なくなる。 征陸は須郷と対峙し、彼が「Nexus」というコードネームの極秘研究プロジェクトに関与していたことを聞き出す。東京工業大学の研究者たちが主導したこの野心的な計画は、革新的な人工知能技術を用いて戦闘用ドローンの能力を向上させることを目的としていた。しかし、ドローンの1機が誤作動を起こし、東京の防衛省に向けて攻撃を開始し、政府高官を含む多数の死傷者を出す事態となってしまった。 須郷の無実を確信し、征陸の執拗な追求にいら立ちながらも、須郷は自身の過去の秘密を告白し、不正なAIの存在、人間の傲慢さの結果、そして抑制されない技術進歩の潜在的な影響について語り始める。 ベテラン捜査官である征陸は、シビュラシステムと執行官としての豊富な知識を駆使し、須郷の告白と向き合い、彼らの世界の根幹を揺るがす可能性のある、隠された問題を解き明かすための包括的な理論を構築しなければならない。