ペテン師と詐欺師

紺碧の海岸が輝くフレンチ・リビエラを舞台に、熟練詐欺師のフレディ・ベンソン（スティーブ・マーティン）とローレンス・ジェイミーソン（マイケル・ケイン）が、一攫千金を狙った騙し合いを繰り広げる。勝負の条件は、純真なアメリカ人相続人、クリスティーン・コルゲート（グレン・ヘドリー）から、最初に5万ドルを騙し取った方が勝利。 フレディは、魅力的だが不誠実な策略家で、ヨーロッパの詐欺ゲームにおける「アメリカ人」としての名声を確立している。一方、洗練された英国貴族のローレンスも、富の追求においては同様に冷酷。2人は長年にわたりライバル関係にあり、互いの悪事に打ち勝とうとしている。 クリスティーンに狙いを定めたフレディとローレンスは、彼女を魅了し、財産を奪うために、手の込んだ計画を練り上げる。一方、クリスティーン自身は、危険が水面下に潜んでいることに気づかない、世間知らずのお嬢様。彼女の無邪気さは、ベテラン詐欺師2人の狡猾な策略には敵わない。 映画のプロットは、ウィットと洗練の極み。フレディとローレンスは、エスカレートしていくいたずらや欺瞞を繰り広げる。互いを出し抜こうとするにつれて緊張感が高まり、同時に魅力的な外面を維持しようと努める。マーティンとケインの名演が光り、それぞれのキャラクターを容易に生き生きとさせている。 賭け金が上がるにつれて、クリスティーンは彼らの策略に気づき始め、彼らの悪ふざけに対する嫌悪感と、詐欺師の1人への惹かれる気持ちの間で葛藤する。最終的には、勝つか負けるかだけでなく、欺瞞の芸術そのもの、そしてフレディとローレンスが、名声と富の追求において、互いを出し抜くことができるかどうかが焦点となる。 『ペテン師と詐欺師』は、1964年の映画『おやすみ物語』の巧妙で魅力的なリメイクであり、スティーブ・マーティンとマイケル・ケインが、スクリーン史上最も無慈悲な詐欺師2人を見事に演じている。機知に富んだ会話、巧妙なプロットのねじれ、そして巧みに作り上げられたキャラクターで、コメディとケイパー映画のファンにとって必見の作品。