ムカデ人間2

ムカデ人間2

あらすじ

『ムカデ人間2』(原題:The Human Centipede 2 (Full Sequence))は、オリジナル版を制作したオランダ人映画監督トム・シックスが監督を務めた2011年のホラー映画です。本作は、前作の続きではありますが、古典的な意味での直接的な続編ではありません。むしろ、不穏でグロテスクな人体実験という同じテーマを探求する、緩やかにつながった作品となっています。 主人公のマーティン(ローレンス・R・ハーベイが演じる)は、若く問題を抱えた人物で、オリジナルのハイター博士のムカデ人間実験に強い憧れを抱いています。彼はそれをさらに大規模に再現することを固執し、12人連結の自身のムカデ人間を創造すると豪語します。マーティンがそのグロテスクな計画を立て、研究を重ねるにつれて、彼の妄執は深まり、彼を暗くねじれた道へと導きます。 映画は、マーティンが地元のショッピングセンターの駐車場係として働く、内気で内向的な青年として始まります。彼は孤独な生活を送っており、しばしば自分の思考や妄想にふけっています。しかし、バイクに乗った男性が首を切断されるバイク事故に遭遇したとき、事態は劇的に変化します。この混沌と流血の瞬間に、マーティンの暗い側面が現れ始め、狂気への転落が始まります。 マーティンはオリジナルのムカデ人間実験にますます魅了され、ハイター博士の研究について読んだり、人体解剖学を研究したりして、独自のねじれた研究を始めます。彼の熱中は、砂漠に荒れ果てたトレーラーハウスを購入させ、そこに即席の実験室を設置し、邪悪な計画を練り始めます。 一方、マーティンの社会生活は悪化の一途をたどります。彼はますます孤立し、知人や友人を拒絶し、彼らは彼に手を差し伸べようとしますが、彼のプロジェクトへの固執によって拒絶されます。マーティンの人間関係は崩壊し、彼は自分自身の欲求のままに、人体解剖学に関する本や図だけが唯一の仲間となります。 『ムカデ人間2』は、観る者に生理的な嫌悪感を与える雰囲気とグラフィックコンテンツを組み合わせて、強烈な視聴体験を作り出しています。トム・シックス監督は、長回し、クローズアップ、慎重なペース配分を駆使して、緊張感を高め、観客を不快にさせます。映画の舞台は、しばしば荒涼として荒れ果てた場所として描かれ、荒廃感と絶望感をさらに高めています。 マーティンの計画が具体化し始めると、彼は犠牲者を集め始めます。そのほとんどは、夜の徘徊中に遭遇する路上生活者や社会の底辺にいる人々です。マーティンは、より良い生活を提供すると偽って、犠牲者に薬を飲ませて誘拐し、最終的に彼らを彼のねじれた実験にかけます。それぞれの犠牲者は、前の犠牲者の背中に縫い付けられ、グロテスクで非人道的なムカデのような生き物を形成します。 映画全体を通して、マーティンの狂気への転落は、不穏な平静の瞬間と並置されます。彼は人体構造に魅了され、消化器系を研究し、犠牲者と自身のプロジェクトの実用性について話し合います。マーティンの冷静な態度と、彼が作り出している混沌とのコントラストが、全体的な不安感と緊張感を高めています。 映画のクライマックスでは、マーティンは12人連結のムカデ人間を動かそうとしますが、彼の計画は最終的に彼が搾取しているまさにその犠牲者によって覆されます。ねじれてぞっとする展開で、ムカデ人間は自我を持ち始め、映画は混沌とゴア描写へと突き進みます。その結末は、個人が正気の淵に追いやられたとき、どのような恐怖が起こり得るのか、そして彼らの行動の結果が制御不能になった場合の教訓を、まざまざと思い起こさせます。 『ムカデ人間2』で、トム・シックス監督は、不穏でありながら示唆に富む映画を届けています。本作は、妄執の性質、神を演じることの結末、そして人間の暗い側面について問いかけます。トム・シックス監督は、メインストリームの映画で許容されると考えられている境界線を押し広げることによって、『ムカデ人間2』を、社会的な批評や挑発のための媒体としての映画の力の証としています。

ムカデ人間2 screenshot 1
ムカデ人間2 screenshot 2
ムカデ人間2 screenshot 3

レビュー