13日の金曜日 完結編

13日の金曜日 完結編は、1984年に公開されたジョセフ・ジトー監督によるアメリカのホラー映画です。この映画は、「13日の金曜日」シリーズにおける重要な転換点であり、トレードマークであるゴア描写とサスペンスを維持しながら、ストーリーに、より個人的で感情的な深みを与えようと試みています。 映画は、前作「13日の金曜日 PART2」でジェイソン・ボーヒーズを殺害した14歳のトミー・ジャービス（コリー・フェルドマン）から始まります。しかし、彼の勝利は長くは続きませんでした。ジェイソンの遺体が湖から回収され、死体安置所に運ばれたのです。トミーには知らされていませんでしたが、ジェイソンの遺体は見た目ほど無害ではありませんでした。病院の解剖台の上で、ジェイソンはどういうわけか再生し、蘇ったのです。 一方、トミーは暗い過去と、ジェイソンを初めて殺した後の罪悪感に苦しんでいます。友人であるティナ（キンブル "カミ" ハーディング）、テッド "ティー" ベッカー（マーク・オリバー）、スパーティー（C.J.グラハム）は、彼を説得してトラウマ的な経験から解放し、前進させようとします。しかし、トミーのジェイソンへの執着は依然として残っており、ジェイソンが再び大混乱を引き起こしに戻ってくると確信しています。 トミーの懸念は、新しい家族、ジャービス一家が、ジェイソンが過去の映画で多くの若者を恐怖に陥れたクリスタルレイクの古いキャビンに引っ越してくることで、すぐに裏付けられます。父親のロイ（ローレンス・モノソン）は、妻のパメラ（サニー・ジョンソン）や娘のトリッシュ（アリシア・ポルチンスキー）に暴力を振るう、虐待的で怠慢な男です。この家族の暗い過去は、偶然にも、ジェイソンが家族をストーキングして殺し始めるという、その後の出来事の完璧な舞台となります。 犠牲者の数が増えるにつれて、トミーはジェイソンがジャービス一家に復讐するために戻ってきたことに気づきます。地元の当局が新たな連続殺人事件を単なる模倣犯によるものとして切り捨てたため、トミーは自らの手で事態を収拾することを決意します。さらなる流血を防ぎ、ジェイソンの恐怖政治に終止符を打つことを決意したトミーは、ジェイソンに立ち向かい、完全に殺すための使命に着手します。 91分のランタイムを通して、「13日の金曜日 完結編」は、ホラー、サスペンス、ドラマの要素を巧みに織り交ぜ、緊張感と魅力的な映画体験を生み出しています。映画のペース配分はバランスが取れており、観客は激しい暴力シーンの間にも息をつくことができます。ジョセフ・ジトー監督は、キャビン、森、死体安置所の風景を効果的に活用し、視覚的に魅力的な雰囲気を作り上げ、不気味で不吉な恐怖感を構築しています。 映画の登場人物は物語に深みと複雑さを加え、この映画を単純なスラッシャー映画として分類することを困難にしています。特にトミーのキャラクターは、自身の苦悩の過去と向き合い、宿敵と対峙する中で成長を遂げていきます。彼の苦闘は物語に感情的な共鳴をもたらし、ジェイソンとの究極の対決をより説得力のあるものにし、そして、満足感を与えてくれます。 「13日の金曜日 完結編」は、その後の続編において、より心理的な要素と暗いテーマを取り入れるための舞台を設定し、このシリーズにおける重要な転換点となりました。この映画はカルト的な人気を博しており、多くのファンがシリーズ最高の作品と見なしています。脇役の活用不足や、ジェイソンの役割が物足りないなど、いくつかの小さな批判はあるものの、「完結編」は、観客を魅了し続ける、魅力的で楽しいホラー映画であり続けているのです。